[中学受験算数ージャンケン]
太郎君と次郎君が階段の同じ段にいます。1回のジャンケンで勝てば3段上がり、負ければ2段下がり、引き分ければ1段下がるというゲームをします。ジャンケンを続けて2人の差がはじめて15段になったとき、ゲームを終わります。10回でゲームが終わりました。もとの位置よりも次郎君は10段以上、上にいました。また次郎君はゲーム中1度も太郎君より下の段になることはありませんでした。次の問いに答えなさい。
(1) 次郎君は何回勝ちましたか。
(2) このゲームでの次郎君のジャンケンの勝敗を、勝ちを○、負けを×、引き分けを△で表します。考えられる○、×、△の並び方は全部で何通りですか。
(洛南高附属中)
解説
(1) 3+2=5段の差が1回の勝ち負けでつく。15段÷5段=3回分勝ち負けの差がつけばゲームが終わるので、10回以内で次のような場合を考える。
5回勝って、2回負けるとき・・・5×3段−2×2段−3段=8段
6回勝って、3回負けるとき・・・6×3段−3×2段−1段=11段
「もとの位置よりも次郎君は10段以上、上にいました。」とあるので、次郎は6回勝ったことになる。
答え 6回
(2) 「次郎君はゲーム中1度も太郎君より下の段になることはありませんでした。」とあるので、次の表のようになる。引き分けでは差がつかないので残り9回分の勝敗を表にする。
1回 2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 9回 結果 ○ ○ ○ ○ ○ 途中終了 ○ ○ × ○ ○ × × ○ ○ ○ ○ × ○ × ○ × ○ ○ ○ ○ × ○ × × ○ ○ ○ ○ ○ × × ○ ○ × ○ ○ ○ ○ × × ○ × ○ ○ ○ ○ × ○ ○ × ○ × ○ ○ ○ × ○ ○ × × ○ ○ ○ ○ × ○ × ○ × ○ ○ ○ ○ × × ○ ○ 次郎が下 以上8回が問題に適するが、引き分けの1回を最初もふくめて、上の9回目の前まで9通りの入れ方ができるので、すべての場合の数は、8×9=72通り となる。マルバツがうまく書けない人は下の別解でやりましょう。
答え 72回
(2) 別解
オオカミとヒツジを同じオリに入れるとき、オオカミの数がヒツジの数を上回ると、ヒツジは食べられてしまいます。ヒツジが食べられないように、オオカミ6ぴきとヒツジ3びきをオリに入れる仕方は何通りありますか?このような問題はたて3区間をヒツジに、横6区間をオオカミに例えて、お馴染みのパスカルの三角形で場合の数を書き込んで行きます。これをこの問題に応用すると、以下のようになります。
次郎が1回勝つと右に1区間進み、負けると上に1区間進む。太郎は一度も次郎の上にはいないので、×は通らない。次郎の勝ちがは太郎の勝ちを3回以上、上回るとゲームが終了するので×は通らない。直前の格子点を順にたしていくと、次郎の勝ち方は8通りあることがわかる。引き分けは1回目〜9回目のどこの前に入れてもいいので、8×9=72通りある。
考察
上の表で、1回目に太郎が勝つと次郎が下になるので、赤マルが決定します。8回目と9回目はもし「× ○」とすると、7回目までに3回分勝ち負けの差がついているはずだから、やはり赤マルが決定します。
ちょうど10回目で勝負がついているので、引き分けを除いて9回目に次郎が勝つのはすぐわかりますが8回目も次郎が勝たなければいけません!8回目9回目で1勝1敗だと、すでに3回分の差がついてゲームは終了しています。