月の 公転と地球の自転

中学受験・算 数・プロ家庭 教師のページへ

難問

 次の文を読み、下の(1)〜(6)の問いに答えな さい。

次 の図1と図2は太陽や地球、月の公転や自転の様子を表すものです。地球も月も公転面は共通で、自転軸は公転面に対して、垂直 であるものとします。また公 転、自転の向きは地球の北極側から見た時のもので、いずれも時計とは逆の回り方になります。地球が図1の1の位置の時、赤道 上のP点にいる人が、恒星Sの 南中を観測しました。そして地球が360度自転した2の位置で再び恒星Sの南中を観測します。2の位置からさらに角度bだけ 地球が自転すると3の位置にき ます。1から3までは24時間たっています。恒星Sは遠方にあるので届く光線は平行であると考えてよく、角度aと角度bは等 しい大きさです。

(海城中)



(1) 地球が角度bだけ自転するのにかかる時間は、何分です か。bを使って時間を求 める式を 書きなさい。




(2) 地球の公転周期を365日として、角度aを求める式を書 きなさい。




(3) 恒星Sの、南中から南中までの時間は、何時間何分です か。



図2では地球が太陽の回りを4、5、6と公転し、その周りを月が 公転しています。4か ら5まで の時間で、月は地球の周りを1回公転しています。4から6までの期間は、新月から次の新月までの期間で1朔望月といい、 29.5日になります。


(4) 4から6までに月は地球の周りを、角度で何度回ったこと になりますか。 365、 360、29.5の数を使って角度を求める式をつくりなさい。ただし、角度cと角度dは等しい大きさです。




(5) 地球の公転周期を360日、1朔望月を30日とすると、 月の公転周期(4から 5までの 日数)は何日になりますか。小数第二位を四捨五入して、小数第一位まで答えなさい。




(6) もし、月の公転周期は変わらず、自転周期だけがわずかに 短くなったら、日本で 見る月の 模様は、日々どのように変わって見えますか。月が南の空に見えている場合を考えて答えなさい。






解説


(1) 図1より地球は、24 時間で (360+b)°自転し ているので、24時間を分に直すために60倍して、

24時間×60×b°÷ (360+b)° となる。

答  24×60×b÷ (360+b)



(2) 地球は365日で360°公転するので、 360°÷365日

答  a=360÷365



(3) (2)より、地球は1日で約1°公転している。よって 24時間では 360°+1°= 361°自転することになる。恒星の南中から南中までの時間とは、地球が360°自転する時間のことだから、

24時間÷361°×360°=23.933・・・ 60分 ×0.933=55.98 分   よって、23時間56分

答 約23時間 56分



(4) 角 cは29.5日の間に地球が公転した角度だから、365日で360°公転することを 使って比例計算する

365日 → 360°

29.5日 → (    )

計算式は、360°÷365日 ×29.5日 とな り、これが 5から6のあいだに月が公転した角度dに等しい。よって、4から6までに月は地球の周りを、360°+360°÷365日 ×29.5日の角度を回った。

答  360+360÷ 365×29.5



(5) (4)と同じようにして、1朔望月(図の4から6)の間 に月は、

360°+360°÷360日×30日=390°公転する。月の 公転周期とは、月が地 球の周り を360°回るのにかかる日数のことだから、比例計算をすると、

390° → 30日

360° → (27.7日)

計算式は、30 日÷390°×360°=27.7日  です。

答え 27.7 日



(6)「自転周期が短くなる」とあるので、自転の速さが速くな る。月も東へ自転するの で、月の 模様は西へ移動して行く。

答 月の模様は 西へ移動して行く。


考察

月の公転周期を1恒星月といい ます。図2の4から5 です。360°÷月の公転する角度 /日=1恒星月ということですね。 旅人算的な考え方をすると360°÷ 月と地球の公転する角度の差/日=1朔望月となります。みちのりを速さの差で割ると時間が出てくるのと同じです。