理科の超難問ー塩化カルシウ ムが水を吸う
塩化カルシウムという乾燥剤があります。
塩化カルシウムは4つの段階を経て水蒸気を吸っていきます。
水蒸気を吸う前の全く水を含まないもの(A)、水蒸気を吸うことで全体の重さのうち、25%が水であるもの(B)、さらに水蒸気を
吸って
40%が水であるもの(C)、そして50%が水であるもの(D)、です。Aが水を吸うと一部ずつBになっていき、全体がBになると、一部
ずつCになっていき、全体がCになると、一部ずつDになっていきます。AがすべてBになるまでは空気1㎥あたりの水蒸気の量が
0.34g になるように水を吸います。
ところがすべてBになってもまだ空気中に多くの水蒸気が残っている場合は、やがてBからCになっていきます。
このとき、BがすべてCになるまでは空気1㎥あたりの水蒸気の量が2.5gになるように水を吸います。
同様にすべてがCになったあとは、すべてDになるまでは空気1㎥あたりの水蒸気の量が3.7gになるように水を吸います。
しかし、すべてDになるともはや水を吸えません。
表にまとめると次のようになります。
塩化カルシウムの状態
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A→(AとBの混合物)→B→(BとCの混合
物)→C→(CとDの混合物)→D
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空気1㎥中の水蒸気量(g)
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0.34
2.5
3.7
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10㎥の密閉容器に水蒸気をまったく含まない乾燥した空気が入っています。これにAの塩化カルシウムを
20kgと水10kgを加えて長時 間おいたところ、液体の水はなくなっていました。
A〜Dの塩化カルシウムはそれぞれ何kgずつありますか。
ただしB〜Dの塩化カルシウムの重さとは吸収した水も含んだ重さのことをいいます。割り切れないときは四捨五入により小数第一位まで
答え なさい。
解 説
全体と水の重さの割合は次の表のようになる。
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A
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B
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C
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D
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全体
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Bkg
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Ckg
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Dkg
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Ekg
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水
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0kg
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@kg
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Akg
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Bkg
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割合
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0%
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25%
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40%
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50%
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A20kgがBにすべて変わると、20kg÷
(1−0.25)=80/3kgとなり、結びついた水は20/3kg。
B80/3kgがCにすべて変わると、20kg÷(1−0.4)=100/3kgとなり、結びついた水は20/3kg。
C100/3kgがDにすべて変わると、20kg÷(1−0.5)=40kgとなり、結びついた水は 20/3kg。
ところが、水は10kgしかないので、Bから一部Cに変わった状態とわかる。
そこで、BからCに一部変わったとき結びついた水の重さを求める。
まずAからBに変わったときに結びついた水の重さをひいて、10kg−20/3kg=10/3kgとなるが、容器の中で水蒸
気になった水もあるので、それもひくとBからCに一部変わったとき結びついた水の重さを求めることができる。
BとCの混合物の状態では、問題文の表より、2.5kg/㎥×10㎥=25g=0.025kgが水蒸気と なっている。
すなわち、10/3kg−0.025kg=397/120kg。全体と水の重さの表より、水@kgが新しく
Bに結びついてDのCになっているので、Cの重さは、397/120kg÷@×D=16.5kgとなる。
次にBについては、Bが全部Cに変わるときは、水が20/3kg吸収される。このときは水が397
/120kg吸収されているのでその割合は、397/120 ÷20/3で求まる。
はじめBは80/3kgあるので、80/3kg×(397/120 ÷20/3)だけBは減っている。
よって残っているBは80/3kg−80/3kg×(397/120 ÷20/3)=13.4kgで ある。
答え A 0kg、B 13.4kg C
16.5kg D 0kg