[中学受験理科ー動的てこ]

次の文章を読 んで、(ア)〜(ク)に適当な数値を入れなさい。割り切れない場合は、最も簡単な分数で答えなさい。

図1のように、半径10cmの丸太の上に、重さが 10kgで長さが 3.6mの均質な板をのせ、水平につり合わせました。板はどこも同じ幅で、同じ太さなので、丸太の真上に板の中心がきています。次に図2のよ うに、板を水平に保ったまま、丸太と地面や丸太と板の間がすべらないようにして、丸太を地面に対して、右に20cmころがします。板と丸 太の 間でも20cmころがるので、板は地面に対して右に( ア)cm動きます。このとき板が水平になるように板の左端で押さえている人の力は( イ )kgのおもりをささえるのと同じ大きさになります。

次に図3のように、体重50kgの人が図1の板の上に乗って、水平にバランスを保って、図2と同じよ うに丸太を地面に対して右に 20cmころがします。(図4)
図3では、両足は丸太の真上にありますが、図4のように、片足が丸太の真上に、もう一方の足が丸太の左側にくるようにして、少しずつ 板を 右に動かしていきます。丸太と地面や丸太と板の間はすべることがないものとします。


図4のとき、人が40cm足を開いているとすると、力のはたらき方は図5のように、丸太の上の支点から20cm右に板の重さ10kg がか かり、支点
のところに丸太の真上に置いている足から( ウ )kgの重さがかかり、支点から40cm左にもう一方の足から( エ )kgの重さの力がかかることになります。

このようにして、片足を丸太の真上に置きながら、丸太を右にころがして、板を水平につり合わせたまま 右に動かしていくと、図6のよう に、板は地面に対して最大( オ )cmまで動かすことができます。このとき人は( カ  )cm足を開いていて、丸太の真上の足には力がかかっていない状態になっています。

図6から、板をさらに地面に対して右に20cm動かすためには、最低( キ )kgの荷物を持たせればできることになります。このとき、人は( ク )cm足を開いています。


解説
(ア) 20cm×2=40cm

(イ) 板は地面に対して40cm動くので、 180−40=140cm 。よって丸太の左側の板の長さは140+20=160cmとなるので、丸太から板の重心までの長さは180−160=20cmとなる。 160:20=8:1より、板の左端を押さえる力は10kg÷8×1=1.25kgとなる。

(ウ) 図5において、支点までの距離の比 2:1より、10kg÷2=5kgの 力が(エ)にかかるので、(ウ)には、50kg−5kg=45kgの重さの力がかかる。

(エ) 5kg


(オ) 上図のように、片足に50kgの重さ がすべてかかるときが、板を最も右 に動かせる。図3のとき板の重心が丸太の真上にあったのでこの位置に比べて上図では板は丸太に対して、180cm÷ (1+5)×5=150cm右に動いているが、同時に丸太は地面に対しても150cm右に動いているので、板は地面に対して 150cm×2=300cm動 い ていることになる。

(カ) このとき人は@=30cm足を開いている。

(キ) 板をさらに地面に対して20cm動か すためには、板を丸太に対してさら に10cm右に動かせばよいので、150+10=160cmが重心から丸太までの長さとなる。180−160=20cmが丸太から左端ま での長さである。20:160=1:8 より、重心10kgに対して、左端には80kgの重さがかかることになる。よって、80−50=30kgの荷物をもてばよい。

(ク) 丸太の真上から板の左端までの幅で足 を開いているので、20cmで ある。


 考察

丸太の上で板をころがすと、地面に対して板の 動いた距離の半分しか丸太はころが りません。逆に丸太を地面の上で転がした距離の2倍も板は地面に対して動きます。丸太の上部で板を前に押し出し、同時に丸太の下部で地面 を後ろに蹴っているからです。板に車が固定されている場合は、車の下部で地面を後ろに蹴るだけなので、車のころがった距離=板の進ん だ距 離です。



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