ホウ酸水溶 液                  中学受験プロ家庭教師の ページへ

難問

60℃のほう和ホウ酸水溶液が300gある。これを加熱して、水60gを蒸発させ、40℃ に下げ る。このとき、と けきれなくなって出てくるホウ酸は何gか。ただし、60℃では100gの水に15gまでのホウ酸がとけ、40℃では100gの水に 9gまでのホウ酸がとけ るものとする。

   




解説

「溶解度の差×液量の比」でやろうと思っても、途中で水が蒸発しているのでつまり液 量が一定 ではないので、できない。そこで、水60gを蒸発させたときに出てくるホウ酸の量を計算し、次に40℃に下げることによって、出 てくるホウ酸の量を計算す ればよい。

加熱した後60℃にもどるのだから、60℃のまま60gの水を蒸発させたと考えても 答は変わ らないので、「溶解度×水量の比」で60gの水に何gまでののホウ酸がとけることができるかを計算する。

60℃では溶解度が15gだから、15g×60/100=9gのホウ酸がとけること ができ る。逆にこの60gの水が蒸発してしまったのだから、蒸発によって9gのホウ酸が出てくるはずである。このとき、ほう和ホウ酸水 溶液は、300−60−9 =231gになっている。

次に、「溶解度の差×液量の比」を使って、60℃から40℃に下げたときのホウ酸の 析出量を 計算する。

(15−9)×231/115=12.05g のホウ酸が出てくるので、全部で9g+12.05g=21.05gのホウ酸が出てくる。

答え 21.05g


考察

水を蒸発させることで、ホウ酸が析出 し、また次 に温度を下げることによって、ホウ酸が析出します。析出量の合計を問うている問題です。「60℃のままゆっくり水を蒸発させる」とい う表現の問題だと考え やすいですが、やり方は同じです。